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彼女が消えた浜辺のCOLORofCINEMAのレビュー・感想・評価

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
4.5
この映画のことを「旅行中に突然、女性が失踪するミステリー」「女性が行方不明になって旅行に来た仲間同士の不穏な空気と葛藤を描く集団劇」「親切で行ったことが、ほんのちょっとしたボタンのかけ違いで大変なことになっていくサスペンスドラマ」…と、いう風にプロットを読んでから鑑賞すると、その見聞きしたことによって全く印象が変わってしまう。

週末旅行、貸し別荘、食事のあとのゲームなどイランの知らなかった文化的側面も見えてきて面白い。日常の積み重ね(こちらも旅行気分で。しかし、やや居心地も悪く)から突然、緊迫のカメラワークに変わっていくメリハリの付け方もいい(エリが楽しそうに凧をあげている、アップ、カメラが見失う、そして我々もエリを見失う)。
本当にエリは消えてしまったのか?何か事件に巻き込まれたのでは?もしかすると婚約者(途中でいた事が判明)に連れ去られたのでは?やはり子供を助けようとして溺れてしまったのか?幾重もの疑問の中、まるでこの集団の中にいるかのような気分で最後まで観させてくれる。
傑作。
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