たま

彼女が消えた浜辺のたまのレビュー・感想・評価

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
4.5
冒頭、3組の家族と1人のバツイチ男と彼女=エリが避暑地で合流するところから8人の人間描写か凄い。
これは映画じゃない、自分も合流しているんじゃないかと錯覚するほど台詞も細かな行動も現実的。
歌ったり踊ったりはしゃいだりバレーボールしたりしてるだけなのに全く飽きさせない。
大人もバカンスを楽しみたい、そんな気持ちの油断から子供の事故は起きるもの。
子供が溺れたことを知らせる他の子供。初めは相手にしなかったけど、徐々に血相を変える大人、救出劇のリアルさ。
そして、ホッとするもつかの間、彼女=エリの行方が分からないことを知り、残された人達の心理が浮き彫りになっていく様は見事。
心配したり疑ったり後悔したり保身したり、エリの秘密を知っていながら打ち明けられなかったり。
エリの婚約者がひとり感情を整理している時、それを遠くから見つめる人達の中にすっかり自分も入り込んでいた気がする。
とても丁寧に丁寧に作られていて、この監督作品を数作見たけど、この映画が1番好みでした。
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