umihayato

殉愛のumihayatoのレビュー・感想・評価

殉愛(1956年製作の映画)
5.0
国家や上官によって、死ぬしかない運命を決めつけられ、いつ出撃させられるかもわからず命を弄ばれるなどということは決してあってはならないし、それがあってしまった国なのだここは。
良い未来も悪い未来も夢見ることを許されない、こんなことが何故起きてしまったのだろう。何故若者が行かなければいけなかったのか。
「戦争が終わったら」という話を何故あんなに暗い気持ちで話さなければいけないのか。

主人公は出撃前に書いた遺書に
「このふざけた連鎖を、自分で終わらせるという思いで飛びます。どうか、後世に伝えてください。」と書きました。
同じ思いでこの映画も作られていると思いました。
見れてよかった。
劇場内に若い人の姿はなかったですが。


余談ですが、空中戦シーンは円谷英二が関わっているだけあってかなりの完成度ですごいです。
umihayato

umihayato