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まごころのHeroのレビュー・感想・評価

まごころ(1939年製作の映画)
4.5
豊もビックリ勇のあいらぶゆーは無いが小津で言うところの『お早よう』であることは間違いないし、成瀬が悪意を以って形式的にプロパガンダを採り入れるとこうも見事に且つ逆説的に反戦色をフィルムに染み込ませることができるのかと感嘆。この子のお母さんとあの子のお父さんかつては許嫁同士という気不味い親を持つ親友ふたり、本音と建前大人の事情を見つめる子供の無邪気さ故のモノの本質を捉える澄んだ瞳それを優しくも厳しく見つめるのは歯に衣着せぬ物言いでズバズバと嘘偽りを切り裂いていくお婆ちゃん、凹凸の違うテトリスが最後に一本の長いやつで綺麗さっぱり消えていくような一切無駄のない完璧な演出にもう何も言うことがない。まぁ希望としてお婆ちゃんは杉村春子だと尚よかったかな。

《映画で愉しむ--石坂洋次郎の世界》