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マイ・ブラザーのshinefilmのレビュー・感想・評価

マイ・ブラザー(2009年製作の映画)
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観て良かった。重すぎる十字架を背負って戦争から帰還した人間の苦悩と抱えてしまった狂気を体現したトビーマグワイアの演技が凄い。

初めは皆からどこか距離を置かれていた前科者の弟(ジェイクギレンホール)が兄の不在中に更生していき、戦争から帰ってきた兄と逆転したような立場になる様が興味深く、空港での兄との何かぎこちない抱擁や惹かれあっていた兄の奥さん(ナタリーポートマン)と目が合わない所も複雑な思いが交差して印象的なシーン。
いつ何を起こすか分からない静寂な狂気を纏った父に戸惑う長女が、妹の誕生日で不満をぶつけるとこの演出も良いけどあの年齢でママと伯父さんはいつも寝てたみたいな嘘をつく台詞がびっくり。早熟すぎないか?
ブラザーというタイトルほど兄弟の絆がメインな訳ではなかった気がするし、ここで終わるのか!と思ったけれど その余りにも重すぎる苦しみを愛する人間に話せたこと(信じたこと)はわずかな救いなのだと思う。ここから先の彼と家族がどうなっていくのか、それが問題だ。
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