ほーりー

エクソシストのほーりーのレビュー・感想・評価

エクソシスト(1973年製作の映画)
4.4
悪魔にとり憑かれた少女を助けるため、二人の神父が強力な悪魔と敢然に立ち向かう大ヒット作品。

70年代のオカルトブームを牽引した本作は、悪魔祓いという古めかしい題材をドキュメンタリーのように描いた作品で、怖い映画というより面白い映画といったほうがしっくりくる。

ストーリーは、娘が悪魔に憑依された母親(エレン・バースティン)の苦しみと、実母が孤独死したことに自責の念を抱く若きカラス神父(ジェイソン・ミラー)の心の葛藤を交互に描いている。

こういうドラマ部分がしっかりしているのが、この映画が単なるゲテモノ映画にならず、今日まで残っている所以のように感じた。

ディック・スミスによる悪魔のメーキャップ(というより傷のあとが痛々しい)は本当にグロテスクだし、血飛沫は飛ぶわ、ミドリ色のゲロを撒き散らすわ、おしっこは漏らすわで気持ち悪さは満点である。

でも何が一番怖いかといえば、サブリミナル効果のように挿入される悪魔の顔か。

あと裏話を調べてみて驚愕するのは本作撮影時のウィリアム・フリードキン監督のキ○ガイっぷりだった。

役者の怯える表情を撮影するために、実弾入りの拳銃を現場に持ち込んだりとか、本当に顔を平手打ちしたりとか、悪魔が憑いたのは実は監督自身なのでは!?と思えてしまう。

とはいえ「フレンチ・コネクション」の成功でノリに乗ってるフリードキンだけあって演出も際立っている。

マックス・フォン・シドー扮する悪魔祓い師が屋敷の前に立つシーン、ラストで事件現場を見下ろす神父の後ろ姿のシーンなど、完全に絵画になっている。

少女の目に神父のカラーが入ってくる場面もちょっとしたシーンだけど印象的。

また、事件を捜査するコロンボを彷彿させるようなキンダーマン刑事(リー・J・コッブ)もいい味出している。
ほーりー

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