1950年、兄ジンテ（チャン・ドンゴン）と弟ジンソク（ウォンビン）は強制的に入隊させられ朝鮮戦争に参加する。弟を除隊させるためにジンテは危険を犯すが、ジンソクは好戦的になった兄を嫌悪するようになる。そして、ある事件が兄弟の仲を裂いてしまう。
「シュリ」のカン・ジェギュ監督による、朝鮮戦争の過酷さをストレートに描いた作品。
観客を泣かせよう、衝撃シーンで驚かせようという意図がミエミエなのは鼻についたし、細かいところで、ジンテの転向や錯乱、ジンソクの変心などなど、唐突感があったけど、歴史を伝える題材として十分に見ごたえがあった。
同じ民族同士、さらに同じ国民同士が疑い合って殺し合う姿は衝撃で、この後も粛清や弾圧で殺し合う韓国国民の行く末を予感させた。
なんで分裂させられてしまったのか。米ソの介入方法が違っていれば、こんな悲劇はなかった？なんとも歯がゆく苛立たしい。
そして、やり方を間違えて、すれ違ってしまった兄弟愛の果てもまた虚しさ100％だ。
老いたジンソクの嗚咽には堪らず、こちらも泣かされてしまった。
