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マダムと女房のumihayatoのレビュー・感想・評価

マダムと女房(1931年製作の映画)
5.0
日本初のトーキーらしいです。
テーマは「音うるせぇ」ってとこが最高
画面に映ってない物の音が聴こえるということ、人間の声色が想像と違うことは、ここまで表現の幅を広くし感情を複雑化するのかと思いました。
生活のなかの幸せとは、猥雑なノイズの隙間から、大切な物を拾い上げるようなものではないか。
もはや歴史的価値の⭐︎5

昔の人は偉かったなぁと思うのが
何か新しい技術が入ってきた時に、初っ端からその技術の100%や奇をてらった事をしでかして、一気に消費するのではなく、
地味なところから、コツコツと時間をかけて丁寧に浸透させていっている所です。

もし、音に特化した、芸術こじらせの実験的な何か、難解なアート(笑)作品などが溢れていたら、トーキーがここまで普及できることは無かったかもしれないわけです。
唐突な変化やそれに乗じたある種のナルシズムは、技術を壊したりもします。
と、最近始まったばかりの配信ライブの映像にエゴをぶち込みまくる輩達を見ていて思ったのでした。
そもそも配信ライブはライブハウスを守る為にやるもんで〜・・・
まぁいいや。

「届けられる様になって何を届けるか」
を間違えると、物事は一気につまらなく、一気に廃れ、一気にエゴイスティックな物になるのです。
丁寧に行きましょう丁寧に。
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