Ryohei

マダムと女房のRyoheiのレビュー・感想・評価

マダムと女房(1931年製作の映画)
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 日本初のトーキー映画。田中絹代と娘のテル子を見て、勝手に小津監督だと思っていたけど違った。市井を描くのは一緒だけど、ちょっと間が長いところとか、明らかにストーリーよりトーキーのために作られた感がある。

 言葉遣いもあり、けっこう聞き取れないところもあったが、田中絹代の声を聞けて感動した。いかにも古き日本の妻を描きつつ、隣の騒音を軸に、西洋の服装や音楽に揺れる。最終的に夫婦は洋服を着ていたけど、当時の日本も戦争前はあんな感じだったのか。

 目覚まし時計や猫の鳴き声、ジャズなど「音」の押し売り感が強いが、それは今だから言えることで、むしろトーキーになったのに音が少なかったら意味がないか。
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