ninjiro

スカーフェイスのninjiroのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.4
コテコテでギラギラなパチーノが、ファックファックな3時間弱。
情緒や機微なんてあったもんじゃない、愛すべき小物狼、トニー・モンタナ。
作中big shotである筈のトニーとその帝国の、余りの安っぽさ、悪趣味さ、劇伴の救いようの無いダサさは、何か深長な意図が?いや、無いでしょうね。
稀に見る天然の地頭悪そうなメジャー映画。
しかし少なくとも私は彼を愛さずにいられない。
置かれたその世の処し方の解らない猛獣、或いは赤ん坊が、思うままに欲し、意味もわからず孤独を感じ、受け入れられない自身に対し癇癪を爆発させる。

不憫ではない。
根源的な自由の渇望に、大人の対応を一切しない彼に私は、大いなる憧れを抱くのだ。

ノワールの原点とも言われる原典からは遠くかけ離れ、演じるパチーノは、思慮深いマイケル・コルレオーネ役から、「狼たちの午後」に続いてドロップアウトして更に芸幅を拡げ、イメージクソ食らえと又も一人偉大なるキャラクターを創造した。
一言、素晴らしい。