地底獣国

スカーフェイスの地底獣国のレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
3.8
「暗黒街の顔役」リメイクで、ストーリーは踏襲しているけどこれ、要はデ・パルマ版「ゴッドファーザーpartⅡ」だよな。トニーがマリエル難民という設定も、マイケル・コルレオーネがキューバ革命に巻き込まれそうになってどうにかこうにかアメリカへ脱出したくだりを意識してるような気がする。そういうデ・パルマの思惑が蓮實センセイにはお気に召さなかったのかもしれん。個人的には面白かったんで問題ナシ、と言いたいところだが‥

主要女性キャラ二人とも扱いが適当なのはちょっとなぁ。いや、「1980年代の映画大抵そんなもんだから」と言われればそうなんだけど、でも妹との関係性とかせっかくデ・パルマが演出してるんだからもっと変態な感じにした方が面白くなったはず。エルヴィラなんか酒飲んでるかコカイン吸ってるところしか印象に残ってないけど、もうちょっと強かな人物として描けんかったのか。オリバーストーンの脚本にそこまで求めるのは無いものねだりかもしれん。

そんなわけで不満点もあるにはあるけど、パチーノ劇場を胸焼けしそうなぐらい堪能できたし、ターミネーターみたいな雰囲気のヒットマンが妙にカッコよかったんで全体としては満足度高し。

「いつだって俺は本当の事しか言わねえ!嘘ついてる時だってな‼」

おまけ:Oストーンの好きな日本語が「内助の功」だと、今思い出した。
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