松原慶太

スカーフェイスの松原慶太のレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
3.9
キューバから渡ってきた移民(アル・パチーノ)が、度胸とハッタリだけでマイアミの裏社会をのし上がっていき、やがて破滅する話。

ヒロインはミシェル・ファイファー。小狡いチンピラ役でF・マーリー・エイブラハム(「アマデウス」のサリエリ役)が出ていたことに驚いた。

典型的な裏社会ピカレスクロマン。これハワード・ホークス「暗黒街の顔役」のリメイクなので、あんがいそこらへんが、この手の話のオリジナルフォーマットかもしれない。さいきん見たソン・ガンホ「麻薬王」も似た話だった。

基本的には、ある日やってきた余所者(金も身寄りもない)が、修羅場での度胸のよさを親分衆に認められて、出世していく。とちゅうで運命を変えるような女(ファム・ファタール)に出会う。やがて猜疑心から孤独になっていく。

本作の特徴は、主人公をキューバ難民に設定したことと、ニューシネマふうというか、東映「実録ヤクザもの」ふうの、ザラザラしたリアルな画作りにあるかと思います。
松原慶太

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