アキラナウェイ

スカーフェイスのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.3
やっと観れた!!
170分の長さに二の足を踏んでなかなか観れなかったブライアン・デ・パルマ監督×アル・パチーノ主演作。

終わってみれば、全然長さを感じない。

アル・パチーノの鬼気迫る演技に、
ただただ圧ッ倒された!!

キューバからアメリカにやってきた青年トニー・モンタナが、コカインの密売でのし上がり、自滅していく様子を描いた作品。

1980年、キューバから反カストロ主義者として追放され、フロリダ州マイアミへとやってきた犯罪者トニー・モンタナ(アル・パチーノ)。マイアミの麻薬王フランク・ロペス一味の殺しの依頼で名を上げていくトニー。大規模なコカイン・ビジネスで巨万の富を築き、名実共にトップに立った彼の行く末は—— 。

アル・パチーノが内面から迸(ほとばし)らせる野心に目が眩みそう。鈍くギラギラ光る獣の様な眼差しが凄い。

ボスの女だって関係ねぇ!!
気に入ったらガンガン攻めるやん!!
怖いもの知らずのトニーが何をしでかすやら、ハラハラさせられっぱなし。

麻薬王フランク・ロペスの恋人であるエルヴィラを演じるは、ミシェル・ファイファー。スラリと伸びる肢体に目を奪われる。若かりしミシェルが美しいのなんの。

キューバ人の若者が駆け上がっていく欲望の登り坂。

人を殺すなんて朝飯前。
その威勢の良さで疾走していく前半。

その坂を登り詰めた時、全てを手に入れた筈なのに。
虚しくただ堕ちていく、欲望の下り坂。

レストランでエルヴィラと罵り合うシーンが印象的。

どれだけ金を稼いでも、
母は自分を認めてくれない。
妹は自分の愛情に応えてはくれない。

壊れた羅針盤の様に、
自制心が効かなくなったトニー。

終盤の銃撃戦シーンは圧巻。
階段の踊り場で、機関銃をぶっ放す姿は、
完全な狂気に満ちている。

膨れ上がったトニーの欲望は周囲の何もかもを飲み込んでいく。

全てを手に入れ、
全てを失った男の哀しき末路。

いやぁ。これは凄まじい映画だわ!!