ジジイ

家族の庭のジジイのレビュー・感想・評価

家族の庭(2010年製作の映画)
4.2
2010年マイクリー監督作品。面白かった。まさにバツイチこじらせ女メアリーを演じたレスリーマンヴィルの独壇場。マイクリー作品の常連だがエグいくらい演技が上手く、居心地の悪さに居た堪れなくなる。話が途切れた時の間が絶妙すぎて爆笑。そして何気ない会話の温かさと冷たさに泣きたくなる。友達を思い遣りながらも決して馴れ合わず、時に厳しく毅然とした態度で接する大人の関係。おしどり夫婦であるトムとジェリー(!)の家庭が幸せであればあるほどメアリーの寂しさが際立つこの構図は、最初から意図されたものなのだろう。「群衆の中の孤独」ほどつらいものはない。珍しく意地悪で辛辣なラストに、唖然として笑うしかなかった。原題は「そしてまた1年」決してやさしくない人生が続きました…というニュアンスなのか、一方邦題は「家族の庭」に他人は入れないよという意味なら、あまりにも的確なタイトルではないか。
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