CHEBUNBUN

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

3.1
【アンドレイがアンドレイを撮った】
アンドレイがアンドレイの映画を撮った!日本でも人気が高いアンドレイ・タルコフスキー。日本では「惑星ソラリス」「ストーカー」あたりが人気なのだが、海外のシネフィルは結構「アンドレイ・ルブリョフ」をオールタイムベストに入れるほど気に入ってたりします。カタカナで書かれていると非常に読みづらいタイトルなのですが、イコン画家アンドレイ・ルブリョフの伝記映画だから仕方がありません。

本作は第22回カンヌ国際映画祭(1969)に出品されて、当年の国際映画批評家連盟賞を受賞するものの、ソ連の上映許可が降りず1971年までソ連本国では上映できなかった曰く付きの作品でもあります。

3時間と長丁場でしたが挑戦しました。果たして...

☆「アンドレイ・ルブリョフ」あらすじ
イコン画家として旅しながら案件に着手するアンドレイ・ルブリョフ。イコン画家仲間との信仰による対立、異教徒、タタール兵との遭遇、そしてスランプと様々な苦難を乗り越えていく...

☆内容より映像
ロシア史の知識が非常に重要な作品故に、正直難しいところも多かった。しかしながら、そういった難解さもタルコフスキー特有の観客を圧倒する映像によって3時間集中力を切らさず観ることができました。

冒頭、風船おじさんかと思う巨大風船に流されるおっさんのシーンが流れる。ソクーロフは「日陽はしづかに発酵し...」で本作にオマージュを捧げたのでと思うほど、狂ったようなカメラワークで地面に墜落する巨大風船が描写される。

そして、雨、沼でドロドロになった土地に人がうじゃうじゃと、今を今をと生きようとする構図に圧巻されて言葉をも失う。確かに、内容も大事。15世紀ロシア史での騒乱、宗教対立を緻密に描いていることは間違いない。しかしながら、残念ながらその背景をしっかり勉強してこなかった私は、圧巻の映像にノックアウトされるがまま。

確かに、スランプに陥り、イコン画を書かず沈黙の旅をする様子は、スランプ経験者のブンブンの心に刺さる者がある。
しかし、すみません。本作はDon't think, feel!で感じてびんびんな作品でした。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUN