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砂の惑星のkoyamaxのレビュー・感想・評価

砂の惑星(1984年製作の映画)
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(採点なしですが、0点にあらず、、)
この作品ができるまでも紆余曲折があったようですが、、
どちらかというと、デヴィッドリンチがSFをつくるとどうなるのかというところで観ました。

リンチ作品は、説明しづらい抽象化された悪夢のような世界を描くことが多く、それがこの監督の特徴といっていいとおもいます。

なんとなく不穏な雰囲気がずっと続く感じや表面上では真意を測りかねるようなキャラクターたちは、やはりリンチっぽさがあります。

また耳をぐるぐる巻きにしたような拘束具、体の栓を抜くと血がどばどば出るくだりなどなど、この人どうやって生きてるのよ?という、えげつなく気味の悪いクリーチャーが日常的に存在している描写もリンチっぽくてよいです。

部分的には監督の特徴など垣間見れ、キッチュで楽しい映像表現がいっぱい。
なのに、大事なところはセリフいっぱい笑
それも、あまり内容を伝える気を感じないというか(^^;


原作は膨大な内容ですが、映画としても概略化したようなわかりすい展開や、わかりやすいエモーショナルな人間もいない笑


カイルマクラクランは表情変わらず、そこが美しい人で、ラストあたりでみせる殺陣もカッコいいのですが、何者なのか、いまいち判然としないので、心情的にも肩入れしづらい感じがあります。

そして展開としては、描くべきところをことごとくダイジェストにしている感じもあり、、
最終的に何をしたいのかよくわからない感じです笑

ただ、ひとつひとつを振り返ってみると、デビッドリンチの要素しかない映画ですね笑
リンチの良いところをSFではめるとハマらなかったという印象です。

ある程度の世界観の説明が必要なSF作品となると、食い合わせはそもそも悪かった気がします。

ある視点から観るとうまくいってないようですが、個人的には見直したい要素がたくさん詰まった映画です。なぜ世間的にはうまくいかなかったか、考えながら観るのもオツな感じかもしれません。
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