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アイム・ノット・ゼアのmjnkのレビュー・感想・評価

アイム・ノット・ゼア(2007年製作の映画)
1.8
ボブ・ディランの半生を、6つの人格に分けて表現した映画。一応は「伝記映画」という位置付けのようですが、ボブ・ディランを6人の俳優が演じるという変わり種。
ボブ・ディランに関する知識はほぼなかったのですが、公開当時話題になっていたのでヒースレジャーとケイトブランシェット目当てで観ました。

映画の基本構成はパラレルワールドのような形です。6人に分けたボブ・ディラン(それぞれボブ・ディランという役名ではなく、ボブ・ディランをモデルにしたキャラクターという感じ)の物語が同時進行します。しかし全員がボブ・ディラン=1人の人間を表しています。

私の勘違いではあるのですが、もう少し一般的な伝記映画に近いものを想像していたので、最初はかなり混乱しました。シーン間がいきなり飛んだような場面があったりもして、物語であって物語でないような印象も受けたので尚更。

また、どの登場人物もそれぞれある一時期のボブ・ディランを切り取ってモチーフにしたに過ぎず、つまり「1人の人間の別々の側面をバラバラに6つ並べられた」に過ぎないわけです。「伝記映画を観る」つもりで観ているこちらとしては、その6つを繋げて大きな1枚の絵にしたいところですが、これが頭の中で繋げられない。

「ボブ・ディランというのはそれだけ多面性のある人」で「ボブ・ディランは今この瞬間にも新たなボブ・ディランへと変化している」、だから「I'm not there」なのだ。ということを表現したのでは、とは思うのですが…(他にも「I'm not there」を表しているものは色々ある気はするんですが)。
とりあえず、ボブ・ディランに関する知識がないと厳しいです。

それでも印象的なセリフもあったし、ボブ・ディランに詳しい方なら楽しめるのかも、と思います。
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