フライ

アイム・ノット・ゼアのフライのレビュー・感想・評価

アイム・ノット・ゼア(2007年製作の映画)
3.5
ボブディランがノーベル賞や音楽以外の色々な賞を受賞する前の作品なだけに余計興味深く見れた。
本作の見所は何と言っても一流キャストがボブディランや関係者を演じている所。特に6人のキャストが時代やシーン毎にボブディランを演じているのは余り観たことの無いキャスティングなだけに新鮮で面白かった。同時に製作者側の苦悩も見える気がした。
ボブディランが影響を受けてきた時代背景や出来事、色々な人達をオムニバスで伝えてくれる内容はとても関心を持ってみる事が出来た。特にケイトブランシェットは自分が以前ドキュメンタリー映像で見た、線の細い美男子の若かりしボブディランそっくりで衝撃を受けた。その中でもBBCレポーターの問いを小馬鹿にする様な返答はとても印象深かった。
更に幼少期を黒人少年を起用するあたりは如何に彼がその時期に大きな影響を受けていたかを強く感じる事も出来た。
ボブディランを知るには歌は勿論、本や色々なドキュメンタリー番組も有るが、本作ではかなり断片的とはいえ飾られたものではなく苦悩や彼を形成しているものを知る事が出来たのは良かったと思う。
かなり変則的な構成になっているので一度見て全て理解するのは難しかったが、時代毎の苦しみを表現するものとしては素晴らしいと思えた。
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