あおい

トゥモロー・ワールドのあおいのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
3.6
絶望の夜が明け、人類は息を吹き返す…

もし、人類に子供ができなくなったら?を描くSFスリラー。非常に面白い設定と豪華キャスト、さらに緊迫の長回しが合わさった力作。

◎ストーリー
人類に子供ができなくなって18年。人生に悲観した者たちによる暴動は各地に広まり、世界は混沌としていた。そんな世紀末の様相を呈したロンドンに住む男はある日、何者かに攫われる。犯人は昔の顔馴染みで、ある不法滞在者をロンドンから逃す手助けをしてくれと頼まれる。
その対象者はごく普通の黒人の少女だったのだが、彼女にはある秘密があった。彼女は、妊娠していたのだ…

子供が産まれなくなり、最年少がもてはやされる未来ってのが、有り得さすぎて怖い。だんだん有り得へん訳でもないんか、とか思い始めるとさらに怖くなってくる。

そんな異様な近未来を、少し雑っぽいカメラワークで捉えます。見方によってはチープな感じがしますし、実際チープなんですが、それがかえってリアルというか。言葉で表しにくい世紀末感が、上手く出ていました。

中でも長回しに拘ってるだけあって、そのシーンは圧巻。車内でのシーンは、周りの暴漢や爆発する車、撃たれる仲間と、368度回るカメラで余すことなく映し出します。この臨場感がすごい!

さらにラスト付近の市街地戦。これはまさに、戦争ゲームしてるかのよう!次々起こる爆発、主人公が向かう先には仲間がいて、敵がいて、目の前で倒れて、殺して、見る価値ありまくりです。

しかも、それを名優たちが演じまくるという。マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー、さらにジュリアン・ムーアと、良いメンバーです( ^ω^ )

少女は、人類にとって希望となるのか?今後の地球はどうなるのか?それはこの時代を生きる人にしかわかりません。

しかし、現代が「Children of Men」
Men(人類)と同じく、Childrenであることに希望を抱かずにはいれません…
あおい

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