DZ015

トゥモロー・ワールドのDZ015のレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.2
18年間子供が生まれていない西暦2027年の英国を舞台にしたSFの体裁を借りつつすでに現在の世界が抱えているさまざまな問題を浮き彫りにしたような重厚な作品。とにかく「長回し」のインパクトが半端でなく、それだけでも観た甲斐があった。

突如流れる『クリムゾン・キングの宮殿』だとかピンクフロイド『アニマルズ』のジャケ再現とか、全編に70年代ロックへのオマージュが散りばめられておりうまくはまっています。

ストーリー的にはちょっとジレったいところもありつつ、この「長回し」の醸し出す緊張感と色調のダークさでかなり世界に入り込めました。説明過剰な映画が多い中、この説明不足感も個人的にはよかった。「トゥモロー・ワールド」なんて中二な邦題を付けず、原題「Children of Men」のまま方が断然この作品の性質を表しているのに勿体無い。
DZ015

DZ015