【仏の道はクンフーから】
リュー・チャーリァン監督のクンフー映画の古典。
〈あらすじ〉
17世紀の中国、清の時代。非情な将軍により家族と仲間の命を奪われた青年は、少林寺に入門して武術を身につける。復讐を胸に誓う彼は、堂内にある三十五房での過酷な修行を終え、新たな武器・三節棍を手に宿敵との対決に臨む…。
〈所感〉
香港映画もクンフー物も初めての私でもめちゃくちゃ楽しめた一作。冒頭が少々ダルいが、少林寺で修行するパートに入ると流れが一変して、ハチャメチャな修行をさせられるサンドが徐々に才能を発揮し、新たな武道を会得していく過程が少年漫画みたいで最高。ツッコミどころはたくさんあるが、特に少林寺に入り最初の一年は掃除させられていたサンダが、偉い人に「そろそろ武道の修行をしたいです!」と言ったら「それなら最初に言ってくれればよかったのに…」と特になんの意味もない一年を送っていたことが面白すぎた。それから復讐のために5年以上もの月日を修行に費やす悠長ぶりがまた良い。三節棍というあまり見慣れない武器を自由自在に操り、戦うサンダの姿がシンプルにカッコ良い。タイトルにかかったオチはなるほど!と唸らされた。真剣さや緊張感もありつつ、ギャグ漫画みたい脳筋ぶりがまた気持ちよかった。新たな映画の扉を開いた気がする。