昔（歳がバレますがw）
「梅毒ジェラシー」
というなんとも言えないwバンドがイカ天に出てて。
「梅毒ってなんだろう？」
と思いながら、こんなインターネットが発達した世の中になるまで調べる事がなかった訳ですが。。
やっぱり黒澤明は凄い。
どの作品も誰も扱わない「梅毒」というテーマを深い人間ドラマの中で組み上げていく様、また飽きさせない造りに脱帽です。
梅毒が当時どういう扱いだったのかの時代背景が非常に分かりやすい。
自分の黒澤明ランキングでは下位に位置する三船敏郎初主演だった「酔いどれ天使」後の1949年の作品にも関わらず、この作品はランキング上位に食い込む内容。
今まで見てきた黒澤明作品は日本語字幕対応で、この時代の日本映画にありがちな「聞き取れない」部分は一番最初のセリフから始まってますが、全体的になんとか聞き取れてストーリー上は理解出来る内容かと。
志村喬の登場シーンはカッコいいし、女優2人の個性と演技力もいい。何より出演者が少ないにも関わらず心理描写や作品内での役柄も立っていて個性的で分かりやすい。
初期作品ならではのカット割やフィルムの荒さこそマイナスの要因ながら実験的かつ斬新なカメラワーク、特に後半の主人公が心情をぶちまけるワンカットのカメラワークも「素晴らしき日曜日」を彷彿とさせながら鬼気迫る感じだし、黒澤明の作品にありがちなオチのラストシーンでスパッと終わるのではなく、しっかり意味と意義を伝えて綺麗に終わるのも素晴らしい。
思わず終わってから唸りましたよ。
素晴らしいです。
