タカナリ

伝説巨神イデオン 発動篇のタカナリのレビュー・感想・評価

伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)
3.7
「伝説巨神イデオン」の劇場版後編。
地球連合軍とバッフ・クラン軍の激戦の最中、イデの力によりカララはバッフ・クラン軍の総司令であり父であるドバの前に空間移動してきた。この話し合いは、イデによる最後のチャンスだった。

物語を無理やり終わらせてしまったテレビシリーズ最終話を、当初予定していた通りに描いた作品で、この作品がイデオンの本当の最終章になります。
総集編というわけではないので、前作「接触篇」とは繋がりません。しかし、何があったかは断片的に映されはします。それでも内容は分かるので、「なんやかんやあって今こうなってる」という感じでいいと思います。

テレビシリーズの最終話は、今回序盤で描かれるカララとドバの話し合いでした。
互いに解り合うためのもので、イデによる最後のチャンスでしたが、人間の愚かさというものを心から感じました。
特に面倒なのがバッフ・クラン。高すぎるプライド、家柄、好戦的な態度。抜いた矛をしまうつもりは一切なく、解り合う気もなし。
イデががっかりして見放すのも解ります。
自分の気持ちをさらけ出していれば、また違った未来になっていたのかも。

前作からもそうなんですが、キャラクターの死がとにかく辛いです。呆気なくて、そして無慈悲。
序盤から女も子供も関係なく死んでいきます。特に辛かったのが終盤。絶望しかありませんでした。
そこからの噂のラストシーン。
あれは確かに衝撃的でした。まさか全員とは。イデの警告を無視した報いですかね。
悲しいラストではありましたが、ただ悲しいだけではなく、希望が見えました。
そこに上下関係はなく、嘘も偽りもありません。希望と愛に溢れていました。
私自身は、悪くないラストだと思いました。

もしラストのあの場所があそこなら、後々の事を考えると、どんな時代になっても人間の愚かさは変わらなかったようです。
悲しいですね。

いつかまた、イデが発動するかもしれない。