ねぎおSTOPWAR

捜索者のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

捜索者(1956年製作の映画)
3.8

開拓者一家がネイティブアメリカン、コマンチ族に襲撃され、その復讐にイーサン(ジョン・ウェイン)たちが向かう・・。

アメリカ人の視点では《無法者たちへの復讐》なんだろうけど、ネイティブアメリカンからすると、ヨーロッパの連中が仕掛けてきた侵略戦争に過ぎない。世界史においては「アメリカ建国」と、その移住の非道な側面を消し去って伝えているわけで、極めて理不尽だと思う。
日本においてもアイヌと琉球が同じような論法ではあるけれど・・。

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映画としては見どころたくさんあります!
セルジオ・レオーネ「ウエスタン(Once upon a time in West)」において、多くのオマージュが捧げられている(その原案にクレジットされるベルナルド・ベルトルッチによれば『(捜索者などから)多くの引用をわたしが仕込んだ。レオーネは「わかっていたさ」と言うがわからずに撮ったんだと思う』と言及)。
一家が襲撃される前の不穏な空気を描写した部分や、その葬儀さなかに犯人を捕まえに行くぞと中断するシーンなど、なるほど「捜索者」を観た人が「ウエスタン」観ると喜ぶ仕組み。

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映画としては、
冒頭暗い室内からドアが開けられ・・それはスクリーンの中央に縦長の窓が開いたような図。
カメラはそこから外に出ていきますが、お話のスタートとして面白いです。
そして最後は落ち着いた暮らしが戻り、家族たちが室内にカムバックする様子を室内から迎えショット。イーサンのみ家に落ち着くことが出来ず・・西部劇の典型的な男たち同様に(ひょっとしたらそのあと部屋に入るかもしれないが・・w)また荒野へと向かう&閉められるドア。
この対の映像はオシャレですよねー。




でもねー、この辺の作品ってどうもダメだ。
ネイティブアメリカンを”悪”として(あるいは悪でなくとも白人に従属的な存在)描くものを素直に受け入れられない。アフリカンアメリカンも同様ですが、この関係性を「当たり前でしょ!?」みたいに描いたものはね、ちょっと嫌だなあ。