マヒロ

捜索者のマヒロのレビュー・感想・評価

捜索者(1956年製作の映画)
4.0
テキサスの荒野に暮らすある一家が、インディアンの襲撃を受けて妻と旦那とその息子を殺され、娘二人が連れ去られてしまう。襲撃から逃れた軍隊帰りの旦那の兄弟イーサン(ジョン・ウェイン)と一家に世話になっていたインディアンとの混血の青年マーティンは、拐われた二人を救う長い旅に出る…というお話。

ある意味凸凹コンビのロードムービーとも言えるけど、ジョン・ウェイン演じる主人公が強烈な差別主義者で、インディアンの血が8分の1だけ混ざっている相棒の青年に対しても常に邪険な態度をとるなど、凸凹の溝がかなり深い。一度遭遇しようものなら周りのこと御構い無しに撃ちまくり、娘がインディアンの生活に馴染んでいることを知ると即座に「救う」から「殺す」に思考が変わってしまうという筋金入りのインディアン嫌いで、正義のガンマンのイメージが強いジョン・ウェインとは真逆のかなりダーティなキャラクター。マーティンは真っ当に拐われた二人を救おうとする好青年で、恋人との手紙でのコミカルなやり取りが随所にあったりして明るい印象なのに比べると尚更恐ろしく見える。

イーサンのキャラが強烈なので、コメディっぽい描写は緊張感を削いでしまうかなぁという気もしたけど、そんなとんでもない男が最後にはどんな決断を見せるのか?という点でグイグイ引っ張っていってくれるし、荒野でのダイナミックな撃ち合いに何だかんだでキマってるジョン・ウェインの銃さばきとか、映像面・アクション面は文句なしの素晴らしさだった。

(2018.51)
マヒロ

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