わかめ

歩いても 歩いてものわかめのレビュー・感想・評価

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)
3.0
あまりに空気感や置いてあるものがリアルすぎて、見ていて胸がヒリヒリするしキュッとする

おばあちゃんのお家にあるもの、いるもの全部映ってる
玄関のスリッパ、畳の部屋にあるそんなに分厚くない座布団(二つ折りにして枕がわりにするやつ)、タイルのお風呂、給湯器、調理器具、古い力士の話題、親の子供~高校生時代の頃部屋(マンガが積まれてたり野球のポスターが貼ってある)、子供が早めにご飯を食べ終えて外に遊びに行って大人組だけで残りのご飯を囲いながら話す時間、親が産まれた時に植えた木、将来の夢について聞いてくるおじいちゃん等々
日本の中流階級で育ったらなんとなく目にするものが全部映っててリアルすぎるくらいリアルだった

自分が成長していくにつれて目についてしまう、おじいちゃんおばあちゃんの、余所者や自分の主義に反するものへの当たりの強さのような嫌なところだったり、所々で見える非力さがなんとも寂しいしやるせない
けど、おせっかいさを見ているとやっぱり根は悪い人じゃないんだなっていうところで白黒つけられないから、完全に嫌えないから難しかったり

YOUさんが演じた役のように、気まずい沈黙や不和を瞬時に察知して、話題を切り替えたり、冗談で空気を和ませたりするのがめちゃくちゃ上手な人(しかも子供の扱いも上手)いるよね、、そんな人がゆっくり素でいられるところあるといいな

今おじいちゃんおばあちゃんに会いにいきたいし、大人になっても親に会いに行こうと思うような映画



部屋に入ってきた蝶々を外に逃した時に、縁側を映すショットがとても好きだった
是枝裕和感を感じました
わかめ

わかめ