歩いても 歩いてものネタバレレビュー・内容・結末

歩いても 歩いても2007年製作の映画)

STILL WALKING

上映日:2008年06月28日

製作国:

上映時間:114分

ジャンル:

3.9

あらすじ

「歩いても 歩いても」に投稿されたネタバレ・内容・結末

いや〜、実際家族ってこんな空気だよね・・
人間描写が素晴らしく、どの場面もメチャメチャ自然で、もう実家集合あるある三昧。

絶妙に全員が何か言いたげで、でも家族だから余計に言えない・・
この雰囲気の中で、帰るの正直イヤだよねぇ。

奥さんからすれば、YOUのような人が本当に勘弁なんだよ、きっと。
姑と小姑が奥さんの前で仲良くするのは、奥さんからすると嫌味にしか感じない・・ですよね。

ただ、孝行しようとした時には親がいないなんてのもよく聞く話で、とても考えさせられます。

親になり、親の大変さとありがたみを改めて感じる中で、樹木希林、原田芳雄に両親の事を重ねて、ふと涙しました。
・樹木希林さんの演技も演技演技していない。どんな作品出ても樹木希林なのに、その役にも見える。
・良太(阿部寛さん)がとし子(樹木希林さん)に『よしお君そろそろ良いんじゃない?』と言った後のとし子の反応とチョウを追いかけている時のとし子が普段はよく笑う人だけど実は色々と抱えている(人間らしさ)と感じた。
・YOUさんが所々樹木希林さんの娘に見えた。料理を教わっている所など

・定点で撮っている時に、阿部寛さんのお尻が入り込んだ。だから、生活感が余計リアルに見えた。
人生は、いつもちょっとだけ間に合わない。
ただ主人公が実家に帰省するのを描いた作品で、見終わった後に親孝行したくなる。何か特別なことが起きるわけでもなくストーリーの起伏はないが、ユーモラスかつ家族の関係性をそれぞれリアルに描かれていて、静かながら濃厚な楽しみがあった。中でも母親役の樹木希林の気迫迫る演技は映画に引き込まれてしまった。
ノスタルジックに揺られて

この作品は、特にお涙頂戴っていう作品でもないし、楽しい展開があるわけでもない

ただただ、一つの家族の一場面を淡々と切り抜いたみたいな作品。悪く言えば、退屈。よく言えば、これこそ人間って思える映画。

監督はあの『万引き家族』を作った人で、細部のリアリティというか、登場人物同士の微妙な関係性がもろに描かれてる。とくに、なんとも言えない人間模様を見るのが好きな人にはこの映画がドンピシャでハマるんじゃないかとも思う


細部のリアリティの例を挙げると

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・主人公の再婚相手の連れ子が主人公(阿部寛)をお父さんとは呼んでいないところ

・主人公(阿部寛)が若くして亡くなった優秀な兄と今でもたびたび比較されること

・子持ち未亡人と結婚した主人公をあまりよく思わない母
・実家に帰ると風呂場に手すりがついていたり、歳をとり隣人の力になれなくなった父(元々開業医で、今は引退した)

・再婚相手に嫌味に取れることを故意に言う主人公の母(樹木希林)と無意識な父(原田芳雄)
・子供の言う、おばあちゃんちという言い方や写真の隅っこが気に入らない父
・主人公の母が他人のお墓に余った花をさして帰るとこ
・重くなった場の空気を和ませようとする姉の夫
・料理を子供に取り分ける時に、箸を奇麗にしようとしてめっちゃ舐める父
・階段の途中で父の足を気遣い携帯を見るふりをして足を止める主人公(でも、関係性は微妙だから手助けとまではいかない)
・お墓参りの時に母から聞いた話を、数年後母が亡くなった時のお墓参りで妻と子供にする主人公

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他にもあるけど、なんというか細部の設定というか、なんとも言えないあるあるというか
これこそ、人間みたいな感じが自分にはすごい印象的だった(他のレビューの中には、人間はもっと薄汚いというか、こんなのはリアリズムとして中途半端って意見もあったけど)

あと、作中の情景や音楽がなんともノスタルジックで、思わず両親や、祖父母に会いたい気持ちにさせられたし、これを機に家族とのあり方を見直すのもありだと思った

作中の曲の中でいうととくに、映画のタイトルにもなってる『歩いても 歩いても』っていうサウンドトラックは、ほんとに良い。聞いたらわかる



映画としては、娯楽って感じの作品ではないけど、なんとも言えないゆっくり流れるしっとり感というかを味わいたい人におすすめ

お盆前に一度は見て欲しい映画
いつもちょっと間に合わないって言葉に全てが詰まってた気がした。
今でこそ「万引き家族」も「そして父になる」もありますが、個人的には現時点の是枝監督の最高傑作。
家族だからこその絶妙な空気感が一番良く出ているし、たった1日の出来事で、しかもほぼ家の中でのやり取りだけで個々の想いなんかを伝えてくるのが凄い。

バランスを取っていた姉夫婦が帰ってからは、家族の微妙な距離感が浮き彫りになって、なかなかスリリングでもある。
姉夫婦役のYOUと高橋和也のキャラクターも見事だし、阿部寛と原田芳雄が親子にしか見えない描写が多くて上手い。

笑顔で「また必ず会いに来てね」と言って追い詰める樹木希林。
子連れ未亡人の息子嫁の事を、息子に話す時の樹木希林。
ブルーライトヨコハマをこれ見よがしにかけて、夫を風呂のすりガラス越しに追い詰める樹木希林。
子どもの事で嫁を追い詰める樹木希林。
そう、この映画には怖い樹木希林で溢れている。
何も起こらなくて退屈って人も、これを観るだけでも価値あり。
どこの家庭でも見られるような親子、家族、親戚との打ち解けきれない微妙な距離感がリアル。あんな風に自分もきっと当人がいない場所では色々言われてるんだろうなって考えると親戚付き合いめんどくせーーーーーって思う。

母親(樹木希林)が本当に怖い。夫の浮気の思い出曲を息子夫婦の前で聞かせるのも、息子の妻と連れ子に対する本音も(子供を作らない方がいいとか面と向かって言われるのゾッとする)、息子の死に関係した人物に毎年訪問を要求するのも、かなりの悪意なのに全然そういう意識がなさそうなところが怖い。ホラーだ。
親孝行したいときに親はなし

誰もが体験したことのあるような実家感。
正月や何か特別な日には実家に沢山の人が集まり最初は緊張したり、久しぶりに会うことで気恥ずかしかったりもするけど結局親の楽しそうな顔を見ると帰ってきてよかったなって思う。
親の照れ隠しもあり、その心理を汲めるようになるには今現代の大人の心はまだ子供過ぎる。
この時代背景ではこのような家族構成が一般的であったかと思うが、現代は核家族が増え、マイホーム、マイカーにはそれほど重点が置かれなくなってきた。
今現在まだコロナにより実家には帰りずらい状況が続いているが、帰ることができる暇と世相が戻り始めたらできるだけ帰りたいと思った1本であった。
ちょっとこわかった。でも許せないのは当然だと思う。
無神経な発言がおおい気がする、長男に助けられた子供(いまはいい大人)。
せめてガツガツとしていれば、亡くなった長男も家族もむくわれるのか。

原田芳雄すき。
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