Jeffrey

巴里祭のJeffreyのレビュー・感想・評価

巴里祭(1932年製作の映画)
4.5
‪ ‪ ‪ ‪「巴里祭」‬

今、上映中のルネクレールの初期の傑作「巴里祭」と「リラの門」のBDが紀伊国屋から発売され届く。1933年、56年の映画が4kデジリマで再鑑賞できるのは嬉しいし、巴里祭は図書館で DVD借りて鑑賞した記憶がある。8月にはアラン・ロブ=グリエがBD化されるし、いよいよタルベーラ作品も円盤化されるか…?
‪冒頭、バルコニーで飾り付け。流れるカメラ、陽気な音楽、巴里の旗。街並み、歯磨きする女性、男性のショット。子供らの戯れ、車のクラクション、野外で踊り、喧嘩、そして恋の夢が花咲く…本作はR.クレールが1933年に監督したラブロマンスの大傑作で冒頭5分でも〜魅了され、直ちに傑作だと‬確信した素晴らしい作品で大好きだ。この度4k画質で再鑑賞したがビックリする程の美しさを感じるモノクロの世界に圧倒された。戦前の仏映画を代表する監督の1人として日本でも絶対的な人気、知名度があるクレールの数多くある作品の中でも断トツに素晴らしく見終えた後の幸福感はもう凄い。巴里祭の原題‬は「7月14日」であるのは革命記念日を表している。また主題歌の巴里恋しやがとても良い歌詞と物語に合い…と言うか歌により展開する話でもある。物語はお祭り気分の町に住む花売り娘とタクシーの運転手の青年の距離を縮める迄の過程を様々なトラブルを入れ描いた神レベルの名作だ。俺にとっちゃ元祖、‬雨が2人の距離を近付けさせると言う雨に大感謝した映画でもある。これからもし映画監督を目指す方が居るならば本作は絶対に避けられない…カット割や手持ちカメラの需要性、違和感なく撮影する手法など、様々な大切な事がこの93分の空間にはある。本作のヒロイン役のアンナことアナベラと彼女に惹かれ‬る青年役のジャンことジョルジュ・リゴーの芝居も素晴らしい。タクシーを弄られ子供に怒るシーン、窓に寄り添うアンナのクローズアップ、強盗に襲われるシーン、広場でのダンス、事故等、好きなシークエンスが多い。正に古典映画の頗る名作で心の底から愛してる一本だ。是非お勧めするラブストーリーだ‬
Jeffrey

Jeffrey