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子供たちは見ているのyoichiroのレビュー・感想・評価

子供たちは見ている(1942年製作の映画)
4.0
2月11日 DVDで観賞
イタリアン・ナオ・リアリズモの巨匠、ビットリオ・デ・シーカの初期作。母親の不倫で、幼い息子は寄宿舎へ、真面目な父は自殺して一家崩壊、というなんとも陰惨な話。主に子供の視点から描かれているので、一家が暮らすアパートの物見高い住民達など大人達の勝手さが際立つ。この母親の言い分が劇中に全く描かれないが、夫婦仲が壊れる過程にも何かありそう。
バカンスに行った先でも、夫が仕事でローマに帰ったとおもったら結局不倫をしてしまう母に絶望して、一人線路をトボトボ歩いて家に帰ろうとする息子の寂しい後姿が哀し過ぎる。
戦時下のイタリアで作られた映画だが、撮影途中でムッソリーニ政権が転覆し、連合軍が上陸してくるという混乱の中で完成。映画の中で戦争にまつわる描写は全く無い。
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