(映画史に残る名作)から目いっぱい遠ざける試み
エリア・カザン「欲望という名の電車」
(名作)と呼ばれる作品を観直すのは時として恐ろしいです。
例えば私にとって「戦場にかける橋」「アラビアのロレンス」「風と共に去りぬ」「カサブランカ」「第三の男」「マイ・フェア・レディ」などは一度観たら【おそらく今後二度と観る事が無いくらい】忘れられぬ名作。
ところが一見そんな(名作)めいたものに思えても丹念に水洗いすれば元号が令和となる現代でも堂々たる(新作映画)として甦る作品もあるから油断できませぬ。
そして長い年月でこびりついた評価の煤を隅々まで洗い直す務めが受け手である私たちにあるのは申しうまでもありません。
ブランチのヴィヴィアン・リーとスタンリーのマーロン・ブランド、このふたつの独創的なキャラクターを洗い直せば「一度は演じてみたい!」と志願する俳優陣が全世界に今も尚、絶え間なく現れるのも頷けます。
若い頃、役者志願だった私もどれだけうなされたことか 笑