これぞという潜水艦映画。ロシアの艦長役がハリソンフォードで、バリバリ英語喋ってるのが玉にきず。戦争映画ではロシア兵はロシア語、ドイツ兵はドイツ語を喋ってる方が緊迫感が出るなぁ。
まぁそれは置いといて、潜水艦という超閉鎖的な状況下でのメルトダウンの危機なんて、悪夢でしかない。極限状態で次々と決断を迫られる艦長の重圧は想像を絶するものがある。事故と人間模様の両面でのクライシスの緊迫感が全編を通して非常に上手く描かれていて、実話というのも後押しして、映画としては大成功だと思う。
メルトダウンが題材になっているので、嫌がおうにもフクシマ原発を連想してしまうのだが、放射線区域に丸腰で入っていって、冷却水パイプを溶接しちゃうなんて嘘でしょ~!!けど実話なんだよね。。極限状態がそうせざるを得なかったとはいえとんでもないことだよ。潜水艦という閉塞した状況下での被爆の被害は悪夢でしかないが、米軍を巻き込んでメルトダウンしていたら、、、それ以上の危機が起こっていたかもと思うと背筋が凍る。
ちなみにリーアムニーソンが名演した副艦長だが、事故の1年後にキューバ危機のさなかソ連潜水艦B59に同乗し、核ミサイルの引き金を引くかどうかの判断を迫られた3人の責任者の内、唯一反対した人物なのだとか。映画でも描かれていた彼の人間性が伺いしれるエピソードだ。
この事故のあと、K19は「ヒロシマ」というあだ名をつけられたのだとか。この他にも史上最悪の火災事故や、アメリカ艦との衝突事故など数々の重大事故を起こした、悪魔のような艦である。ウィドウメーカーと言われたのも納得の、いわくつきの艦だったんだな。
自分ならトラウマで暗くて狭いところや海には二度と近づけないだろう。願わくばこんな経験は絶対にしたくないものだ。。。