kyoko

恋するシャンソンのkyokoのレビュー・感想・評価

恋するシャンソン(1997年製作の映画)
3.8
この監督で笑えるなんて想像もしなかった!
『去年マリエンバードで』は口を開けたまま呆然として観てたクチだし。
友人とマリエンバードごっこした時は面白かったんだけど。
(どうやらお互い、理解を超えてたらしい)
あーこの映画、笑えるけど切ない。みんな精神的に鬱の気があるんです。
それでも本当にビックリする程楽しく観る事が出来た。
作品賞を初め、フランスの1998年度セザール賞を7部門も獲得したというこの作品。
ハッピーなばかりじゃないけど唐突に有名なシャンソンやポップス(色々取り合わせ36曲)のフレーズを歌い出すところは誰もが思わずプッと笑ってしまう事必須。
だって男の口から女の声で、女の口から男の声で…って具合に何の線引きもなく、なんですから。彼らの意志とは関係なく身体を乗っ取られたかのごとく。
しかもこの唄の数々は彼らの心を映し出しているかのようにピッタリ来てるのですよね。もうこのバランス(アンバランス)の妙ったら。
そうそう。唐突に歌い出すと言えば同じくフランスのジャック・リヴェット監督作品『パリでかくれんぼ』には参りました。こっちは一瞬動きが止まります。
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