一夢

ザ・チャイルドの一夢のレビュー・感想・評価

ザ・チャイルド(1976年製作の映画)
4.0
ティーンエイジャー1歩手前の、糞ガキの少年少女と触れ合う機会がある方に是非見てほしい一本。近年、リメイク化されたようだけど、こちらの方が恐らく、得体の知れない気味の悪さが強いと思う。

妻想いの夫と、妊婦である妻がリゾート地の島にやってきたが、彼らが島を訪れる数日前から、その島の子供達に妙な変化が起こっており、大人達を虐殺・制圧していく物語だ。

冒頭は延々と、世界各国で起きた暴動や虐殺事件の映像が流され、大人達の都合で無垢な子供達が今までどれだけ殺されてきたかがクローズアップされていく。子供=非力の象徴というイメージを植え付けた後での話の展開は、かなりショッキングだ。

「蝿の王」で見られるような子供達の残酷さとは違う、対大人への残酷さが見られるのが面白い。子供達がきゃっきゃと騒ぎながら大人達を取り囲み、屈託のない笑顔で彼らを殴り、突き刺していく様子は狂気でしかない。最後まで子供達の行動の原因が不明だった点は、ヒッチコックの「鳥」を連想させる。

後味の悪さがかなり強かったので自分は大好きだけれど、人を選ぶ一本だとは…思う。ホラー映画にありがちな「さっさと異変に気付けや!」「危機感無さすぎやろ!」という、志村!後ろ後ろ!感も楽しめる作品だ。
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