つるみん

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操のつるみんのレビュー・感想・評価

4.2
マイベストである『誓いの休暇』と同様にセットで観たかった作品。しかしなかなか見つけられず購入するにも2万円ほどかかってしまうので躊躇していたのだが、大学の図書館にて発見したので、すかさず観賞。

個人的な感想を言うと『誓いの休暇』より脚本力は劣るものの、カメラワークについては本作の方が好み。古さを感じさせない斬新な撮り方で、戦闘シーンがほぼ無いにも関わらず要所要所で画面いっぱいに映し出される、その圧迫感が何とも効果的。
特に前半の何気ないシーンが中盤の(所謂ターニングポイント)となる重要なシーンとカメラワークがリンクするなんて思ってもみなかった。

それからラストの終戦後の演説シーン。これは『独裁者』に匹敵する演説シーンではないだろうか。全編通して反戦を論じているが、最後の最後に本音をぶつけてきた感じが痺れる。その後の主人公ベロニカが花を渡していくシーンも感動的で、最初は別にそこまで綺麗な方ではないなと思っていたが、ラストのそのシーンは大変美しい姿であった。
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