モスマンは実在する

おもひでぽろぽろのモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)
5.0
怖い‼︎ 「精神的に停滞している主人公が、自分を受入れてくれる共同体に取り込まれる」という話の構造が「ミッドサマー」と同じ‼︎ うわああ!

27歳の主人公の言動が、どこか歪んでいるようで、思い出ばかり話している様子。身近にいたら心配になるようなタイプの人物(身に覚えもある)。主人公が自分の状態について、「さなぎの時期」「自分を振り返ってもう一度羽ばたきなおしてごらん、という時期なのだろうか」という言い方をしているけど、誰だってそういう不安定な時期あるよな…。

音での繋ぎや分数のりんごの例からの連想などで編集を繋いでいく場面などが味わい深い。

「雨の日と、曇りの日と、晴れと、どれが一番好き?」「く、曇り」ここでミットがボールをキャッチする映像が挿入され、「あ、おんなじだ‼︎」と喜ぶ場面の気恥ずかしい感じ最高。

小学5年。生理の話題が出てくるからか、あまり学校や家庭では観なかった覚えがある。

農業や田舎についての辺りは高畑勲の思想が色濃く現れている。ハンガリーの民族音楽を流しながらの田舎描写がまた異化効果のようなものを感じさせて良かった。