Yoshishun

おもひでぽろぽろのYoshishunのレビュー・感想・評価

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)
4.2
短評

今年最初に鑑賞した『耳をすませば』に続き、何だかんだ観てなかった名作ジブリ映画の1つ。宮崎駿プロデュース、高畑勲監督による、とある女性の成長録。

ファンタジー路線とは異なり、都会の女性が憧れの田舎で過ごしながら思い出に耽るという人間ドラマになっている。小5パートは周囲の背景がボヤけたように描かれ、現代パートは背景の隅々までしっかりと描かれている。この描き分けをはじめ、過去と現代を繰り返していく手法が、女性の回顧録としてうまく機能しているし、末っ子あるあるを網羅した小エピソードもユーモアとシリアスのバランスが良く面白い。

回想の入り方が少々不自然であったり、特に敏夫と二人きりで車内で会話する時に、かつての転校生を思い出すタイミングが突発的すぎるといった難点もある。それでも、かつて少年少女だった、過去にトラウマも含めた思い出に入り浸りがちな現代人にこそ、共感しやすい作品であるといえる。

ファンタジー以外のジブリとしては、同じ高畑監督の『火垂るの墓』の次に好きな作品になりましたとさ。
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