Jeffrey

乙女の星のJeffreyのレビュー・感想・評価

乙女の星(1945年製作の映画)
3.0
「乙女の星」

冒頭、田園地方にある古い城館。古城の主アラン幽霊の話をする女性。子供達と地下室へ、光が消え、蝋燭の灯、狩人、最初の舞踏会、フレデリックと言う青年、犬。今、城の中での人間模様が映される…本作はクロード・オータン・ララが1945年に監督したたファンタスティック喜劇で、この度DVDにて初鑑賞したが面白い。「肉体の悪魔」や「青い麦」「赤と黒」などのララ監督が恋に憧れる少女を描いた初期の映画で、巨匠ジャック・タチが俳優として幽霊(白の狩人)を好演している作品でもある。

さて、物語は16歳の少女をシルヴィは自分の住む古城の主と言われる幽霊の存在を信じ、どうしても会いたいと思うようになる。その彼女をフレデリックと言う青年が見初め近づいてくる。そして、彼女の最初の舞踏会の夜にその幽霊が突然現れる。1920年代から映画美術や衣装などで働いてきた監督がアバンギャルドな作品を撮った後に、ここまでメルヘンタッチの劇映画を作るとは正直びっくりするが、なかなかコミカルで詩情あふれる雰囲気の人間模様を描いており、可愛らしいー本になっている。原作はどうやら、アルフレッド・アダンの戯曲の"シルヴィと幽霊"を下にしているらしく、1950年代のフランス映画代表する脚本家のジャン・オーランシュが脚色している。ちなみにこの作品の衣装はクリスチャンディオールと監督自身が担当している。主演の女優オデット・ジョワユーの可愛い芝居が見所とタチの幽霊役も見所だ。
Jeffrey

Jeffrey