ヴェルヴェっちょ

プレステージのヴェルヴェっちょのレビュー・感想・評価

プレステージ(2006年製作の映画)
3.5
大監督クリストファー・ノーランはいつも規格外の映像で観客の度肝を抜いてくれるわけですが、本作のテーマは「マジック」。

19世紀末のロンドン。 二人の天才マジシャン、華麗なパフォーマンスを得意とする“グレート・ダントン”ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と、卓越した想像力を持つ“ザ・プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)は、お互いを尊敬するライバル同士。彼らは情熱の全てを注いで、イリュージョンの腕を競い合っていた。
しかしある日、アンジャーの愛妻であり助手のジュリア(パイパー・ペラーボ)が、脱出マジックの失敗で死亡してしまう。 トリック中にほどけるはずだった縄を結んだのはボーデンだった。アンジャーは妻を死に導いたボーデンに復讐を誓った。
間もなくボーデンはサラと出会い結婚。アンジャーのもとには助手志願の美しい娘オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が現れるが、彼の怒りは癒されなかった。
やがてアンジャーは、ボーデンが開発した瞬間移動のトリックを探るべく、オリヴィアをスパイに使って、トリックの手掛かりを掴む。どうやら、天才科学者ニコラ・テスラ(デイヴィッド・ボウイ)の開発した電気技術が大きく関与しているらしい。アンジャーはテスラに瞬間移動装置の制作を依頼し、舞台上演を開始する。その上演中にアンジャーは、舞台で壮絶な溺死に至ってしまう。翌日、アンジャー殺しの犯人として逮捕されたのは、ライバルの死を目の当たりにしたボーデンだった…。

あまり筋を詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、すべてのシーンに裏があるといっても過言ではない。
マジックの腕を競って火花を散らすアンジャーとボーデン。愛妻の死をきっかけに、アンジャーはボーデンへの復讐の炎を燃やす。 その熾烈さはエスカレートしていき、ついには命がけの対決に。
「メメント」のときも置いていかれないようにするのが精一杯でしたが、本作も逆転に次ぐ逆転に頭がついていけなくなります。

理知的で荘厳な映像美は言わずもがな、クリスチャン・ベイルやマイケル・ケインといった「ノーラン・ファミリー」とでも呼びたくなる名優陣の演技に酔える。 普段使っていない頭を酷使したせいか、心地よい疲労感に浸れるのもまた乙。