ハレルヤ

アンジェラの灰のハレルヤのレビュー・感想・評価

アンジェラの灰(1999年製作の映画)
3.6
大恐慌時代を生きるマコート一家。ブルックリンでの生活が苦しくなり、故郷のアイルランドへ出戻るも、一家の生活は悪化していく一方。そんな苦境の中を耐えながら成長していく長男フランクの姿を中心に描いたドラマ。

テーマからして重そうなイメージの作品でしたが、大体その通りの内容。大恐慌時代という時代性も含めて、とにかく暗さが先行する雰囲気。それに呼応するようにマコート一家の貧困模様も見てて辛くなるような描写ばかり。

職を失って酒浸りの父親。子供のためのお金も酒に使い込んでしまうクズっぷり。でも根は優しいという一面もある。痩せていて焦燥感のある父親をロバート・カーライルが好演。彼の熟練の演技はしっかりと堪能できます。

衛生状態も悪く、生まれたばかりの子供も命を失っていく悲惨な一家の現状。懸命に家族を支えようとする母親はエミリー・ワトソン。言い方悪いですが幸薄そうな役柄に、彼女の演技が見事にマッチしてたように思えましたね。

それでもユーモアを忘れずに日々を生きていき、アメリカへ戻ることを夢見るフランクを時代ごとに3人の子役が演じ分けていて、各人が違和感なく良い演技を見せてくれました。

時間も長いし暗めな作品ですが、アイルランドの歴史にも触れた内容でもありますし、色々と考えさせられるものがありましたね。
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