ハル

幸せのちからのハルのレビュー・感想・評価

幸せのちから(2006年製作の映画)
3.8
アメリカの労働者階級で生きていく事の辛さと生きる事への希望、その両面を切に味わえる名作だった。

とにかくウィル・スミス親子が良い。

役を離れても実際の親子だからこそ作れる空気感がとても愛しい雰囲気を生み出している。

親は子供の為に頑張る。
でも実は子供こそが、自身が生きる為の意味となっている摂理を表していた。辛い時、しんどい時に守る者が存在するという事は奮起のための支えとなる。

そして忘れてならないのが、ドン底を味わい辛酸を舐め続けても最後に成功を勝ち取れたのは、彼が行動し続けたから。
この事実が最も身に沁みた。
苦しい時こそ、動いて、足掻いて、何かを変えようとし続けた者だけにこそチャンスが訪れる。
劇中、走り回るシーンが多く含まれている所、あれこそまさに何かを変えようとする者のあるべき姿なのだろう。

そして、それは一時のものじゃないことも明白。
主人公は医療器具を売っている貧困時代からひたすら営業を頑張り続けていた。
事業を立ち上げると痛い程痛感する事実だが、あらゆる仕事、どの世界に行っても絶対に必要な能力は営業力。

これは最も大切で評価されるファクトな一方で、へこたれない強靭な精神力が必要とされるパラメーター。

彼は一人で仕事をしていたときからずっとこの力を磨き続け、諦めなかった故に成功を勝ち取れたのだろう。

コロナ禍の昨今、暗い話題やニュースばかりの今だからこそ、ぜひ見てほしい一作。

何かを頑張ろうと思ったとき、そっと背中を押してくれる様な素晴らしい作品だった。
ハル

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