映像や想像力で魅せてくれるキム・ギドク監督ですが、ドラマ性やテーマ性でも優れた作品を作れることを証明した映画です。
南北分断をテーマに、米軍基地のある町に住む3人を主人公にした悲劇です。
クライマックスの怒涛の出来事や想像力のイメージはいつものギドク監督らしさ。
作品に込められた怒りもそうです。
ギドク監督自身も壮絶な青春時代を過ごしているので、その青春時代を踏み躙られることへの怒り。
ケン・ローチ監督作品にも似た底辺の人々からの怒り、想いを映画という作品で世界に問う。
この作品を契機にして、若手作家の想像力と才能以上の映画を作っていくキム・ギドク監督の進化を感じさせる一本ですね。