回想シーンでご飯3杯いける

受取人不明の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

受取人不明(2001年製作の映画)
2.5
最新作「The NET」や、製作・脚本で携わった「レッド・ファミリー」は、朝鮮半島問題を取り入れたエモーショナルな作風で、その個性を存分に楽しませてもらったキム・ギドクの初期監督作品。

公開が2001年で、舞台設定が1970年代という事で、画面から感じる空気が、かなり昔という感じがする。朝鮮戦争の爪痕が残る韓国の、米軍基地がある村が舞台。そんな時代背景もあって、登場する少年少女も、大人も、何らかの心の傷を負っていて、劇中で笑顔が殆ど出てこない。いかにもキム・ギドクっぽい作品と言えるだろう。

ただ、無駄に神経を逆撫でする描写や、シリアスなのかコミカルなのか首を傾げてしまうシーン、更には、'70年代なのに、当時は存在し得なかったはずのヒップホップのような音楽がディスコで流れている等、演出上の粗も目立ち、作品の世界に没頭する事が出来なかった。