朝倉

セブンティーン・アゲインの朝倉のレビュー・感想・評価

セブンティーン・アゲイン(2009年製作の映画)
3.1
いい意味で裏切られました。
1時間42分前の自分よ、カムバックアゲイン、裏切られっぞって今なら言ってやりたいです。

よくあるタイムスリップもんで、ザックエフロンがかっこよくて眼福もんで、ザ・アメリカンもんで、まあ満足できるけど頭使わない系でしょ?って。
それもそうなんですけど…想像よりももっと深く味が濃いです。

輝かしいスター確定の未来ではなく、愛を選び永遠の輝く未来を手に入れた。…のも束の間、その選択を後悔し続ける将来となり、過去の自分にすがりついては今を嘆く主人公。愛を選んだはずが、そんな愛も何処へやら。奥さんには愛想を尽かされ、子どもとの関係は親戚のおじさん以下。仕事も絶好に不調。同じ境遇のおじさん達のヒーローになるであろうレベルで、とことんに憧れる要素がない主人公。そんな希望もへったくれもない生活に突如現れた、ヒゲ面ぽっちゃりな用務員のおじさん。このおじさんとの出会いから、彼は変わります。
ただ、彼の何が変わるのか、ここが他のタイムスリップシンデレラストーリー系作品との違いであり、この作品の魅力。
それらの作品を観て、大半の人が抱くであろう"いやそんなんありえない話だし、誰だってタイムスリップできりゃ過去とは全く別の道を選ぶわ"この気持ちをサラーとアメリカンジョークのあの軽やかな感じで裏切ってくれます。

タイムスリップってもしかしたらあるのかも…
目の前に明らかにおかしいおじさんが現れたらそういうこと…?始まっちゃう…の?
気づけば、こんなワクワクが心に生まれ、"ありえない"って凝り固まった意識をほぐしてくれる作品でした。

人生に不可能なんてものは、ない。
仮に歩む道を阻むロックがかかっているのなら、それは年齢じゃなくて意識の問題なのかも…

「戻りたい過去があるならば、今日をその日だと思え」
朝倉

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