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ブレックファスト・クラブのLATESHOWのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
4.2
大人になったら心が死ぬんだ。
なんとなく僕たちは大人になるんだ。

軽薄な80年代青春映画という先入観で
舐めてかかった自分を恥じます。
とんでもない名作だコレ。
これがなければ
「桐島、部活やめるってよ」
もなかったんじゃない?

ジョックスのエメリオ・エステベス、
プリンセスのモリー・リングウォルド、
ガリ勉、不良、ゴスっ子の
全く異なる5人が
土曜の補習で顔を合わせ、
互いを罵り、徐々に惹かれ合い、
いつしか共感しあっていく
図書館での会話劇。

月曜にそれぞれの友達の前でまた声をかけられるか?
感情が昂り、紅潮した顔で涙をこぼす5人に
10代の頃出会いたかった。
無理よ、まわりの友達になんと思われるかわからないから
私は声をかけられても無視するわ
と言うモリー・リングウォルドに
僕は無視なんかしない!と
はじめて声を荒げ涙をこぼすガリ勉君。
ガリ勉君「僕とアリソン(ゴスっ子)の方がましだ。変人だからね。君も僕を無視する?」
アリソン「他に友達はいないの」
「友達がいたら?」
「無視しない。私の友達ならあなたを嫌わない」
5人の、誰にも言えず鬱屈していた感情のぶつかり合いは
観る者が10代でも30代でも必ず響くだろう。
ディスり合いもふざけ合いも
あけすけで遠慮ない感じが逆に新鮮だった。
開けたらお前は死ぬ!書かれたロッカーにギロチン仕込んである
バカっぽさが好きです笑
お前はこういう人間だと
親や教師から高圧的に決めつけられ、
大人になったら心が死ぬんだと絶望している5人は
月曜にお互い声をかけられただろうか。
自分で自分が何者なのかも
まだわからなかったあの5人は
月曜にそれぞれの場所に戻っても
そこから見える世界が少し変わって見えているはずと信じたい。
なんでもお見通しな用務員さんだけが
その後の彼らを知っている。
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