スポーツ馬鹿、お姫様、不思議ちゃん、勉強馬鹿、チンピラの5名は土曜日の補習に呼ばれた。
図書室で缶詰状態にされた彼らは「自分とは何か」というテーマの作文の課題が命じられた…。
完璧に舐めてました。とても面白かった。
それぞれのキャラの描き方が分別がついてとても分かりやすく一気に引き込まれ、なぜ彼らがここに集められたのか全く分からない状態から始めることでちょっとしたサスペンスも盛り込んでいく。
何よりこの映画が素晴らしいのは「無音」の使い方。
むやみやたらとBGMを使用しないことで、シュールギャグや子役の演技、若者特有の空気感が伝わりやすくなっており、この「無音」が後半の大事な展開に大きく作用する。
そしてBGMを使用するタイミングも完璧で、動と静のメリハリが今作のキモだった。
このメリハリが思春期の悩みを抱える若者のおふさげやマジメになった時の「空気感」と呼応する。
チープなBGMでギャグをはぐらかしたり大事な打ち明け部分で邪魔をしたりするなんて無粋な真似はせず、若者が醸す「空気感」を丁寧に捉えていたのではなかろうか。
勉強馬鹿を演じるアンソニー・マイケル・ホールがMVP。
5人の子役の中でもピカイチで上手かった。