“月曜日になっても、まだ友達？”
登場人物はほぼ生徒5人と先生のみ。
しかも場所もほとんど移動しない。
なのに、すごい深い。
土曜の朝、補習のために集まった5人。
お嬢様
秀才
不思議ちゃん
スポーツマン
不良
補習がなければ絶対に関わることのなかった5人が、「自分とは何か」という課題を通して成長していく。
思春期はまさに自分というものを模索している時期。周りからどう見られているかを気にしたり、異性のことが何故か気になったり。自分というものに自信が持てず、何気なく今を生きる日々。
初対面だった朝からは考えられないほど自分をさらけ出す昼下がり。そこにはもう、他人の目を気にする自分はいなかった。ただ、今置かれている状況に不満を抱いている自分がいるだけ。
回想シーンもない。「お父さんが…」と登場人物が語り出しても、その場面を想像することしか出来ない。そのおかげで、あらゆる人が自分に置き換えて考えることができるのも、この映画がみんなに愛されている理由ではないだろうか？
一日で成長する彼らを、冒頭のデヴィッド・ボウイの言葉が簡潔に表している。観終わったあとにもう一度読み返すと、思わず頷いてしまう。
静かだし、ほぼ会話劇。私が予想してた映画とは全く違ったが、みんなの青春のもやもやをぎゅっと詰め込んだような作品だと思うな。
悩める思春期の“中高生”から、青春気分に浸りたい“中高年”まで幅広くおすすめできそう。
