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ゲキ×シネ「蛮幽鬼」のminamiのレビュー・感想・評価

ゲキ×シネ「蛮幽鬼」(2010年製作の映画)
4.7
1月分の上映が決まってからずっと楽しみにしていたゲキ×シネの「蛮幽鬼」。
先日劇場予約していたのに大雪のため断念しました。。。

悔し紛れにDVD買いました。「蒼の乱」と一緒に。
本当はスクリーンでみたかったけど!またの機会を待ちます。

モンテ・クリスト伯(巌窟王)がモチーフの物語。中島かずきさん作。
復讐劇や悲劇が大好物なのでとにかくストーリーが好みでした。重厚な音楽も素晴らしい。
人間のエゴや愚かさ、裏切りや悲しみ、そんな中にも垣間見える友情や愛情、いろんな感情で胸が締め付けられます。
タイトルも好み。かっこいい。

2009年の舞台なので俳優さんたちが皆若い…!
主演の上川隆也さんはThe安定感。存在感も演技力も抜群。
個人的には「サジと名乗る男」を演じた堺雅人さんのお芝居に圧倒されました。キレのある素早い立ち回り、得体の知れない気味悪い表情、動き、走り方に至るまで素晴らしい表現力でした。
重要な役どころの人物に名前がない(最後まで名乗らない)という設定、または名前を捨てた人物、ふたつ名前があるなどの設定は背負っている人生の重さや闇を感じられて大好きです。グッときます。

そしてそして!太一くんの女形も堪能できる、今となっては貴重なこの作品。もう男でも女でも、いい人でも悪人でも、例えこの世の者ではなくてもいいやと思わせる程のなんと中性的な魅力。美し過ぎます。
立ち回りは当時から完璧だけど、表情などはまだかたく少し初々しい感じ。
舞台上で楽しむように生き生きと自由に表現力豊かに非道の限りを尽くしているあの天魔王様と同じ人物とは思えませんね…

これまた家宝にしたい一本となりました。
また近くで上映してくれー!
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