胸糞悪いが…
テーマがテーマなので、100%気持ちいい映画とは言えませんでした。しかし、作品としては惹かれるものがあるし面白いと感じるのも事実。
私にとってこの映画はまさにルドヴィコ療法でした。アレックスはこの療法によって自身の行動を矯正されることになるが、アレックスの非行の数々を観ている私も、非行への嫌悪感が高まり、BGMとして採用されている第9や「雨に唄えば」のあの名曲を聞くのも嫌になってしまった(一時的なものだといいな…)。
でも、独特の言語(“ホラーショー”など)は思わず使ってみたくもなるし、インテリアや美術品も興味深いものばかりで作品の雰囲気を創り出すのに一役買っていたと思います。時折出てくるセリフの語尾の「あン?」もなんか好きです。笑
ラストも結果的に暴力行為への虚しさや反社会的な行動への無力感みたいなのを感じたりもして、1回観ただけじゃ分からないぐらい強いパワーを感じる映画でした。気持ち悪くて不気味な世界観があってこそこの映画が成り立ってるので、作品としては評価されるべきだとは思います。ただ、今の私じゃもう一度観たいとは思えないので、ここは時間に解決してもらってもう一度観れる機会を伺うこととします。