アンタレス

時計じかけのオレンジのアンタレスのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.8
クラシック音楽を愛する青年、アレックス・デ・ラージ(マルコム・マクダウェル)。アレックスは3人の仲間を率いてドラッグ、暴力、レイプに明け暮れる。今夜もまた仲間と超暴力の計画を立て、強盗に押し入った。そこで、男性器を象ったオブジェで老婦人を殺害してしまう。が、昼間の仲間たちとのいさかいが原因となり、裏切られアレックスだけが逮捕されてしまう。
14年の実刑を受けたアレックスは、収監され2年が経過しようとしていた。そしてアレックスはとある噂を耳にする。ある実験の被験者となる代わりに刑期短縮の機会を得る、というものだ。アレックスはどうにかその機会を得ようとするのだが。

ヴァイオレンス映画、ディストピア映画の代表作のひとつといえる作品。
終始、主人公アレックスの語りで展開されるのだが、随所に登場するスラブ語、ロシア語を原型とするスラング "ナッドサット" が登場人物の荒々しさ、暴力性そして作品のディストピア感を演出している。
更に、これ程無軌道な若者がクラシック音楽に明るく、芸術に造詣が深いという設定は暴力性をより強調しているように感じる。
題材については賛否あるだろうが、このテーマはいつの時代でも受け入れられる普遍的な物だ。映画作品としては間違いなく名作と呼べるものだろう。
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