RINA

時計じかけのオレンジのRINAのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
4.0
ついにキューブリック作品に手を出してしまった…。
ようやく決心がついたというか、敷居が高いと思っていて手が出せなかったもので…。


一見すると青春サイコムービーまたはバイオレンスムービーのように感じる。
しかし蓋を開けてみれば、1971年に描かれた近未来のSFであり現代社会の風刺そのものだった。

まず初めに驚いたのが主人公アレックス(マルコム・マクダウェル)とその仲間たちや他の若者が話すオリジナルのティーンエイジャー言葉(スラブ語やロシア語の読み方を少し変えて作ったそう)。
会話の中で聞いたことのない単語が溢れるように出てくる。

デボーチカ=オンナの子
ドルーグ=仲間
ガリバー=頭
イン・アウト=性行為
ビディー=見る
トルチョック=ボコボコにする
…などなど。

最初はさっぱりわからなかったものの、ストーリーが進むにつれて前後のセリフからその単語が何を示すのかが推測できるようになっていた。

この言葉たちと今でも新しく感じるような建造物やセット美術などの効果で、50年近く前に撮られた作品とは思えないぐらいの斬新さを感じる。
サウンドトラックにクラシックの時代を超えた名曲が多く使われているのもその一因だと思う。

時計じかけの“オレンジ”。
この“オレンジ”も単なるオレンジではなく別の意味があるとわかり、このタイトルそのものが現代社会の批判のように鑑賞後は捉えられた。


アレックスやドルーグたちが銃を使わず原始的な方法で行う暴力や強姦、アレックスが逮捕された後に受けるルドヴィコ療法は生々しくて、子供のときに見てたらトラウマになっていたと思う。

ビジュアルは全体的にかなりよくて好みでした。
やっぱり若さって美しくて脆くて残酷だなあ…。

これからキューブリック作品少しずつ見ていきます!
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